コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ

小児のECMOと痙攣

Hassumani DO, Shan M, Mastropietro CW, Wing SE, Friedman ML.

Seizures in Children with Cardiac Disease on Extracorporeal Membrane Oxygenation.

Neurocrit Care. 2021 Jul 15. doi: 10.1007/s12028-021-01276-3. Epub ahead of print. PMID: 34268643.

背景

  • ECMOを要する小児では、痙攣が一つの合併症である。
  • これまでの報告は患者背景がバラバラであり、その発生率も様々である。
  • Cardiac indicationのECMOについて痙攣の発生率と、その危険因子、予後を調べたい。

要点

  • 単施設、後ろ向き研究、心疾患に対してECMO導入、18歳未満
  • Cannulation後48時間、持続的に脳波を測定し、痙攣波をチェック。危険因子と予後との関連を調べた。
  • 110名中、104名がcannulation後48時間EEGを施行されていた。痙攣は20名(18%)に発生。うち、Subclinical seizureは13名 (65%)。最初の痙攣までの中央値は34h (IQR 19,44)。心停止やECLS、頚部のcannulationで痙攣の発生率が有意に高かった。

Figure 1. ECMO開始から最初の痙攣まで

注意点・コメント

  • 後ろ向きではあるももの、ルーチンで48時間も全ての患者にEEGを装着しており、セレクションバイアスもかかりにくい。
  • ただし、descriptive的な要素が強く、全ての解析も痙攣の有無を単純比較したのみ。そのため、心停止やECLS、頚部カニューレといったものが痙攣の危険因子ということはできない。
  • 心停止の際の低体温療法を受けた患者数やその詳細も不明。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。