コヘルツ論文セレクション 
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内分泌

PICUにおけるNT-proBNPの臨床使用

Liu F, Luo X, Chen X, Lu Z, Wei D, Yang Z.

Clinical value of NT-proBNP measurements in assessing patients in the pediatric intensive care unit.

Transl Pediatr. 2021 May;10(5):1355-1360. doi: 10.21037/tp-21-123. PMID: 34189094; PMCID: PMC8192984.

背景

  • N-terminal brain natriuretic peptide precursor (NT- proBNP)は、BNPのinactive fragmentである。 
  • 両者とも心房・心室のストレスや圧に反応して心筋細胞より放出されるが、重症患者では上昇していることが報告されている。
  • 小児PICUにおける、死亡率予測に対するNT-BNPの有用性を評価した。

要点

  • 単施設、前向き観察研究、24時間以上PICUに入室した小児
  • Pediatric Critical Illness Score (PCIS)を元に、non-, low-, high-riskの三群に分類。それぞれのNT-proBNPを比較。また、NT-proBNPの死亡に対するROC曲線を解析。
  • n=375。High-risk群のNT-proBNPは、他の群よりも有意に高値。NT-proBNPの28日死亡率に対するROC曲線下面積は、0.705。多変量解析では、死亡の独立ではなかった。

注意点・コメント

  • KM曲線でも解析して欲しい。Loss-to-followupがいると考えられるため、死亡の有無だけでなく、生存期間も考慮すべき。
  • Logistic regressionで、なぜPCISやSOFA, PRISM IIIを同時に変数として入れているのか不明。それぞれの項目に重複があるはずであり、それら全てで調整して「独立危険因子でない」との結論であったとしても、特に意味はない。
  • 多変量解析で、人工呼吸器期間を入れているのも不自然。他の変数は入室時のデータであるはずなのに、これだけ入室中の変数であり、prediction modelとしては不成立。
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木村聡
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