コヘルツ論文セレクション 
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循環

Fontan術後の二心室循環への変更

Doulamis IP, Marathe SP, Piekarski B, Beroukhim RS, Marx GR, Del Nido PJ, Emani SM.

Biventricular conversion after Fontan completion: A preliminary experience.

J Thorac Cardiovasc Surg. 2021 May 4:S0022-5223(21)00761-3. doi: 10.1016/j.jtcvs.2021.04.076. Epub ahead of print. PMID: 34045059.

背景

  • 単心室疾患の最終形態としてFontan手術があるが、長期的な合併症や副作用が問題となる。
  • Fontan患者であっても、Boston Children’s Hospitalでは積極的に二心室へ変更してきた。
  • どのような予後なのかを調べたい。

要点

  • 後ろ向き研究、単施設、Fontan手術を施行された後に二心室循環へ変更された患者
  • Primary outcomeは、二心室修復後の生存と何かしらの介入。
  • n=23。年齢の中央値は10.0歳(7.5-13.0)。Fontan pressureの中央値は16 (14-18 mmHg)、transpulmonary gradientの中央値は6 (5-7)mmHg。EDPの中央値は 10 (8,11)mmHg。8名(35%)は選択的に、15名(65%)はFontan循環の破綻(Fontan pressure >15mmgまたは合併症)により二心室循環へ変更。変更後、non-dominant ventricleは、EDV, ESV, ventricular mass全てにおいて有意に増加。

Figure 4. 二心室循環への変更前後の比較

注意点・コメント

  • 上記のように、Fontan pressure, transpulmonary gradient, EDPなどをみても、そこまで状態の悪い患者層ではない。また、片方の心室が小さい場合のindicationや二心室にもっていくまでのplanもしっかりしており、予後が良いと予想された患者に手術をしている印象。
  • 本研究は、あくまで後ろ向きの観察研究であり、特に二心室修復の適応やその予後を他と比較した研究ではない。すなわち、二心室修復が有り得る選択肢だということはわかるが、すべきか否かは不明。
  • 選択的二心室修復の方がFontan循環の破綻時の二心室修復よりも予後が良いとのKMに関しても、ただの患者背景の違いの可能性大。
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木村聡
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