Kido T, Burri M, Mayr B, Strbad M, Cleuziou J, Hager A, Hörer J, Ono M.
Impacts of stage 1 palliation and pre-Glenn pulmonary artery pressure on long-term outcomes after Fontan operation.
Eur J Cardiothorac Surg. 2021 Mar 25:ezab079. doi: 10.1093/ejcts/ezab079. Epub ahead of print. PMID: 33764447.
背景
- BCPCもTCPCも、肺血管抵抗が低いことは大切である。
- BCPC前の肺血圧(PAP)は、TCPC術後に影響を与えるのだろうか。
要点
- 後ろ向き、単施設、BCPCとTCPCを施行された患者
- TCPC後の合併症に対する、BCPC前のPAP(Group H● or Group L●)とTCPC前のPAP(Group ●H or Group ●L)の、ROC曲線を描き、それぞれのカットオフを決定。その後、BCPC前のPAPカットオフ、TCPC前のPAPカットオフで2*2=4群に分け、TCPC後の合併症を比較。
- n=316。TCPC後の合併症に対するBCPC前のPAPカットオフは16mmHg。TCPC前のPAPカットオフは10mmHg。TCPC前のPAPが低い場合、BCPC前のPAP<16mmHgであった群は、BCPC前のPAP>=16mmHgの群よりも、有意にTCPC後の合併症が少なかった(p=0.02)。
Figure 1. TCPC後の合併症のない期間

注意点
- KM曲線+Long rankで単純比較しているだけで、regression modelで調整しているわけではない。すなわち、BCPC前のPAP低値はTCPC後の合併症と関係するのかもしれないが、文中のように”Based on our results, conditioning low MPAP before BCPS is an important requirement for successful Fontan palliation”とはならない。
- Atrial septectomyがあればBCPC前のPAPが低いようであるが、これに関しても上記と同様の理由により、「Atrial septectomyをした方がよい」とはならない。
- TCPC前のPAP>10mmHgであった場合は、BCPC前のPAPによってTCPC後の合併症に有意差なし。
ABOUT ME