コヘルツ論文セレクション 
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呼吸

新生児急性呼吸促迫症候群に対する通常の人工呼吸とHFOV

Liu K, Chen L, Xiong J, Xie S, Hu Y, Shi Y.

HFOV vs CMV for neonates with moderate-to-severe perinatal onset acute respiratory distress syndrome (NARDS): a propensity score analysis.

Eur J Pediatr. 2021 Jul;180(7):2155-2164. doi: 10.1007/s00431-021-03953-z. Epub 2021 Feb 27. PMID: 33638098; PMCID: PMC7910198.

背景

  • 新生児急性呼吸促迫症候群(NARDS)に対してHFOVが用いられることがある。
  • 理論的には利点のあるHFOVと一般的なCMVを比較したい。

要点

  • 単施設後ろ向き研究、新生児、24w-42w、NARDSの診断、生後24時間以内にHFOVまたはCMVが必要
  • HFOVとCMV群を、propensity score matchingを使用し比較、HFOVとCMVを両方使った患者は除外
  • 死亡やbronchopulmonayr dysplasia (BPD)の発生率に有意差なし。Intraventricular hemorrhage (IVH)とventilation-free days (VFD)はHFOV群で有意に低かった。

Table 3. Propensity score matching後のアウトカムの比較

注意点・コメント

  • HFOVとCMVそれぞれのindicationについての記載をみると、それぞれに違いがある(ex. pCO2)。であれば、交絡因子となりうるはずであるが、それらはpropensity scoreを計算するregressionに用いられていない。
  • HFOVとCMVの両方を用いた症例は除外されているが、HFOV→CMVへweaningする症例(施設)も多いと思う。CMVへのWeaningが必要ない患者のみHFOV群に含まれているとすると、selection bias。
  • 死亡に対するlogistic regressionも同時に行われているが、HFOV/CMVは変数として含まれておらず、単なる死亡を予測するモデルを作っているにすぎない。
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木村聡
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