Kaskinen AK, Keski-Nisula J, Martelius L, Moilanen E, Hämäläinen M, Rautiainen P, Andersson S, Pitkänen-Argillander OM.
Lung Injury After Neonatal Congenital Cardiac Surgery Is Mild and Modifiable by Corticosteroids.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2021 Jul;35(7):2100-2107. doi: 10.1053/j.jvca.2021.01.017. Epub 2021 Jan 16. PMID: 33573926.
背景
- 人工心肺を使用すると様々な炎症性メディエーターが放出される。
- ステロイドによりこれらの炎症が抑えられることで、臨床的アウトカムの改善はあるのだろうか。
要点
- ランダム化比較試験、人工心肺使用した心臓手術、生後28日未満の新生児
- Methylprednisolone 2mg/kg投与後hydrocortisone 5日間投与0.2mg/kg/hから漸減) vs. プラセボ。胸写での肺水腫スコア、肺コンプライアンスなどを比較。
- n=40。ステロイド群で胸写での肺水腫スコアが有意に低かった。人工呼吸期間、気管分泌の炎症マーカーなどに有意差なし。
Figure 1. Lung edema scoreの推移(A)と変化(B)

注意点・コメント
- Primary outcomeである胸写の肺水腫スコアは、ブラインドはされているものの、一人で診断しており、診断の正確性に不安あり。
- 胸写や人工呼吸器を用いた肺コンプライアンスの測定は、術後安定すると共に測定できなくなっている。すなわち、missing valueによるbiasとなる可能性。
- 気になる副作用である高血糖についての記載がなく、インスリンの使用の有無のみしか比較していない。
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