Salem SS, Saleh NY, Soliman SE, Abo-Haded HM.
On-admission plasma levels of BNP, MR-proADM, and cTnI in pediatric heart failure: contributions to diagnosis, prognosis, and outcome.
Ir J Med Sci. 2021 Feb 9. doi: 10.1007/s11845-021-02533-2. Epub ahead of print. PMID: 33564973.
背景
- 心不全には、i) 神経ホルモン(BNP, MR-proADM)、ii) 心筋傷害(troponin-I, CK-MB)、iii) 炎症(CRP)といったバイオマーカーが存在する。
- 小児におけるこれらのマーカーの、診断・予測の有用性について評価してみた。
要点
- 単施設、前向き観察研究、2ヶ月~10歳、先天性心疾患あり、Ross Scoreで心不全の症状のある60名と、軽微疾患で病院を受診した30名の健康な小児。
- 入院時のBNP, MR-proADM, cTnIを、それぞれ健康患者と比較。バイオマーカーや心エコーとの所見の関連性を評価。病院死亡率に対するROC曲線を描いた。
- 健康人と比較し、これらバイオマーカーは有意に高値。バイオマーカー同時も有意に相関。BNPとcTnIはEFと有意に関連。死亡率に対するROC曲線下面積は、BNPが0.825と最も高かった。
Figure 1. BNPとMR-proADMとの関連

注意点・コメント
- ROC曲線だけでなく、生存期間を考慮したKMによる生存解析を追加して欲しい。
- 先天性心疾患のある患者を対象としているが、術後患者は一人も含まれていない。
- 連続変数同士の関係は相関係数とp値を用いて評価しているが、相関係数のp値はサンプルサイズに大きく依存する。Fig 1をみてもそこまで実際の相関は強くない点には注意すべきである。
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