コヘルツ論文セレクション 
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インターベンション

単心室と肺動脈絞扼術

Ergün S, Çilsal E, Genç SB, Yıldız O, Tanıdır İC, Onan İS, Güzeltaş A, Haydin S.

Univentricular Pulmonary Artery Banding: How Tight is Tight Enough for Successful Progress?

Pediatr Cardiol. 2021 Apr;42(4):840-848. doi: 10.1007/s00246-021-02548-7. Epub 2021 Jan 21. PMID: 33474612.

背景

  • 単心室疾患に対する肺動脈絞扼術(PAB)において、どこまで締めるのかについて様々な指標がある。
  • 予後との関連を調べた研究は少なく、後ろ向きに検討してみた。

要点

  • 単施設、後ろ向き研究、単心室疾患、PABを施行された患者。
  • GlennやFontan手術を施行または施行できると判断された患者を「成功群」、それらを施行できないまたはtakedownを行われた患者を「非成功群」として2群化。患者背景や肺動脈圧などを比較。
  • n=50。年齢の中央値は2ヶ月(1-4mo)。成功群の方が、術後の肺動脈圧は低く、肺動脈圧/全身動脈圧も有意差あり(0.37 vs. 0.46, p=0.03)。退院前の絞扼部の圧較差も、成功群で有意に高い(60 vs. 47.5 mmHg)。

注意点・コメント

  • 絞扼術施行後に死亡した6名を解析から除外しており、selection biasとなってしまう。
  • 絞扼術前の全身血圧や肺動脈圧、酸素飽和度についての情報がなく、術後のパラメータだけでは判断できない。
  • 絞扼部の圧較差が大きいにも関わらず退院前の酸素飽和度が成功群の方が高い。すなわち、単に心拍出量を含めて成功群のほうが状態が良いだけで、締めたほうが良いという解釈にはならない。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。