コヘルツ論文セレクション 
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血液

小児のECMO: ローラーポンプ vs. 遠心ポンプ

Erdem Ö, Kuiper JW, Houmes RJ, van Ommen CH, van Rosmalen J, Tibboel D, Wildschut ED.

Coagulation complications after conversion from roller to centrifugal pump in neonatal and pediatric extracorporeal membrane oxygenation.

J Pediatr Surg. 2020 Nov 25:S0022-3468(20)30848-4. doi: 10.1016/j.jpedsurg.2020.11.018. Epub ahead of print. PMID: 33279215.

背景

  • ECMOでは、出血や血栓といった、凝固系の合併症が問題となる。
  • 遠心ポンプでは、回路のサイズやプライミング容量、血液が異物と接する面積といった点において、ローラーポンプよりも利がある。
  • 2011年にローラーポンプから遠心ポンプに変更したこの施設で、これら合併症を比較した。

要点

  • 単施設、前後比較研究、18歳未満、ECMO使用
  • ローラーポンプ(RP)使用群と遠心ポンプ(CP)使用群で、凝固関連合併症、出血性合併症、血栓性合併症を比較。
  • n=172。RP n=90 vs. CP n=82。CP群の方が、凝固系合併症が有意に多かった。Poisson regressionで調整後も、CPは有意に凝固系合併症と関連(1.788, 1.295-2.468, p<0.001)。

注意点・コメント

  • カニューレのサイズや回路内圧、flowといった合併症と関わるデータがないため、単純にCPの方が合併症が多いとは言えない。
  • 抗凝固のターゲットはプロトコル的には変わらないはずなのに、実際のaPTTに有意差がある。患者の状態に差がある可能性。
  • アウトカムの定義は不明瞭。例えば、「出血性合併症」の明確な定義(時間あたりの出血量)の記載なし。
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木村聡
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