Hamzah M, Jarden AM, Ezetendu C, Stewart R.
Evaluation of Bivalirudin As an Alternative to Heparin for Systemic Anticoagulation in Pediatric Extracorporeal Membrane Oxygenation.
Pediatr Crit Care Med. 2020 Sep;21(9):827-834. doi: 10.1097/PCC.0000000000002384. PMID: 32404633.
背景
- Heparinは、作用のためにはantithrombin IIIが必要であり、血小板活性化や機能不全、free thrombinのみを阻害、抗原性が高くHITを引き起こす、といったdisadvantagesがある。
- 小児ではantithoronbin濃度が低く、heparin resistanceが多い。
- Direct thrombin inhibitors (DTIs)の一つであるBivalirudinは、heaprinの代替薬として期待されている。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、生後1日~18歳、ECMO使用中にheparin or bivalirudinを使用。2016年にheparinからbivalirudinに変更しており、前後比較研究に近い。
- Heparinとbivalirudinで、出血、血栓、コストを比較。
- Heparin n=16 vs. bivalirudin n=16。抗凝固の治療域に達する時間は、bivalirudinの方が有意に短い(11 vs. 29 hr, p=0.01)。出血性合併症は、bivalirudinの方が少ない(event数も、rateも)。コストもbivalirudinの方が少ない。
Figure 1. Bivalirudinによる抗凝固プロトコル

注意点・コメント
- 如何せん、サンプル数が少ない。Heparin群はVA ECMOだけであるが、bivalirudin群はVV ECMOも19%含まれている。年齢も59mo vs. 31moと異なるが、検出力不足のためどれも有意差なし。これら患者背景の差が、出血量といったアウトカムの差と関連している可能性大。
- それでも、bivalirudinが臨床でheparinと同等以上のアウトカムで用いることができることを示したという意味では、重要な研究。
- HITではなくてもheparinで血小板が減っているのに対し、bivalirudinではそうでないのも興味深い。
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