Zajonz T, Cupka P, Koerner C, Mann V, Menges T, Akintuerk H, Valeske K, Thul J, Schranz D, Mueller M.
Anesthesia for bilateral pulmonary banding as part of hybrid stage I approach palliating neonates with hypoplastic left heart syndrome.
Paediatr Anaesth. 2020 Jun;30(6):691-697. doi: 10.1111/pan.13876. Epub 2020 Apr 30. PMID: 32291873.
背景
- 左心低形成症候群(HLHS)やそのvariantでは、Norwood手術の他に、両側肺動脈絞扼術とPDAのステント留置といったhybrid approachが存在する。
- 術前の状態によって予後が変わるのかどうかを検討したい。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、hybrid approachを施行された新生児
- 術前心血管作動薬を使用されていない患者を安定群(Group A)、使用された患者を不安的群(Group B)。
- n=185。Group Aは165名。Group Bは20名。両群で、術後の心血管作動薬の使用に関しては差があったものの、人工呼吸器期間やICU滞在日数は有意差なし。
注意点・コメント
- 術前の心血管作動薬の有無で比較した研究であり、hybrid approachの是非を検討した研究ではない。それぞれの患者で何故Norwoodではなくhybridを選択したのかの記載なし。
- サンプルサイズが小さい上に、両群でかなりアンバランスなサンプルとなっており、検出力不足の可能性が大きい。
- そもそも、hybrid approachを受ける患者で、術前の心血管作動薬の有無で予後を比較する意味は何であろうか。今後の介入ができる要素でもないし、前述のように他の術式と比較した研究でもない。
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