Floh AA, Herridge J, Fan CS, Manlhiot C, McCrindle BW, Van Arsdell G, Balmer-Minnes D, Schwartz SM.
Rapid Advancement in Enteral Nutrition Does Not Affect Systemic Inflammation and Insulin Homeostasis Following Pediatric Cardiopulmonary Bypass Surgery.
Pediatr Crit Care Med. 2020 Jul;21(7):e441-e448. doi: 10.1097/PCC.0000000000002314. PMID: 32195897.
背景
- 人工心肺を使用した心臓手術では、術後経腸栄養を24-48時間以内に始めた方が、全身の炎症が弱まり、臨床的アウトカムが改善した。
- しかし、どの程度経腸栄養をgrade up(volume up)するのかはわかっていない。
- これまでの研究は観察研究のため、selection biasが否定できないため、今回はRCTを企画した。
要点
- 単施設、RCT、6ヶ月未満、人工心肺使用
- 早期経腸栄養(ターゲットに27時間以内に到達)群と、スタンダード(ターゲットに63時間以内に到達)群で比較。栄養開始はどちらも術当日。Primary outcomeはインスリン抵抗性。Adverse eventsやサイトカインがsecondary。
- サイトカイン、インスリン抵抗性、adverse eventsに有意差なし。ただし、早期栄養群だけでみると、インスリン抵抗性とIL-8の間に関連あり(p=0.013)。
注意点・コメント
- 心臓手術の詳細が不明。RACHSの低い手術では、早期抜管すると考えられるが、抜管前後に絶食が必要。そのため、ターゲットに到達する時間に影響を与えてしまうだろうし、計画通りにいくのか疑問。実際、本研究では両群でターゲットに到達した時間に有意差なし(39hr vs. 60hr, p=0.75)。また、どちらの群も栄養開始は早い。
- Power calculationの記載なし。上記の差も統計学的有意差なし。
- インスリン抵抗性のサイトカインに対する影響について、栄養によるeffect modificationを調べているが、GLSをどのように用いたかの詳細が不明。Intervention有無で二つモデルを作っているのか。そうだとしたら、どのようにその二つを比べているのか。Effect modificationの評価方法としては一般的でない。
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