Landolf KM, Rivosecchi RM, Goméz H, Sciortino CM, Murray HN, Padmanabhan RR, Sanchez PG, Harano T, Sappington PL.
Comparison of Hydromorphone versus Fentanyl-based Sedation in Extracorporeal Membrane Oxygenation: A Propensity-Matched Analysis.
Pharmacotherapy. 2020 May;40(5):389-397. doi: 10.1002/phar.2385. Epub 2020 Mar 23. PMID: 32149413.
背景
- Ex vivoの研究では、脂溶性で蛋白結合率の高い薬剤は、ECMO中に多量が必要となり、recoveryも遅くなることが示唆されている。
- 脂溶性で蛋白結合率の高いfentanylと、水溶性で蛋白結合率の低いhydromorphoneをについて、ECMO患者を対象に比較した。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、18歳以上の成人、48時間以上のECMO、fentanylまたはhydromorphoneの持続投与を最低6時間
- Fentanyl使用群 vs. hydromorphone使用群で比較。Primary outcomeは、せん妄なし&昏睡なしのECMO日数(DFCF days)。Propensity score matchingも使用。
- Hydrophone群の方が、DFCF daysが有意に長く、fentanyl換算量が有意に少ない。PSMでも同様の結果。
注意点・コメント
- Primary outcomeの定義がそもそもわからない。なぜ7日、14日の時点でのDFCF daysが100~200 daysなのか。これでは7, 14日の時点でのアウトカムに、それ以降のデータを用いていることになる。
- Propensity scoreの計算に用いられている変数が足りない。すなわち、fentanyやhydromophone以外の鎮静・鎮痛剤や腎機能といった交絡因子の調整がなされていない。
- 麻薬の換算表を元に比較しているが、この換算自体が文献によって差があるため、他の換算表を用いた結果が知りたい。
ABOUT ME