コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
血液

赤血球輸血貯蔵期間と小児の臓器不全

Spinella PC et al; ABC-PICU Investigators, the Canadian Critical Care Trials Group, the Pediatric Acute Lung Injury and Sepsis Investigators Network, the BloodNet Pediatric Critical Care Blood Research Network, and the Groupe Francophone de Réanimation et Urgences P.

Effect of Fresh vs Standard-issue Red Blood Cell Transfusions on Multiple Organ Dysfunction Syndrome in Critically Ill Pediatric Patients: A Randomized Clinical Trial.

JAMA. 2019 Dec 10;322(22):2179-2190. doi: 10.1001/jama.2019.17478. PMID: 31821429; PMCID: PMC7081749.

背景

  • 赤血球輸血は42日間貯蔵することができるが、保存期間は赤血球の酸素運搬能の低下や免疫系の抑制、内皮や止血能の障害と関連する。
  • 赤血球輸血の貯蔵期間に関するRCTも幾つかあるが、集中治療室の重症小児を対象としたRCTはない。

要点

  • 多施設(50施設)、ランダム化比較試験、生後3日から16歳、PICU入室後7日以内に赤血球輸血が必要となった患者、
  • 赤血球保存期間が7日以内の”fresh group”と、7日を超える”standard群”で、新規または臓器不全の進展を比較。
  • n=1538。年齢の中央値は1.8歳。赤血球保存期間は、fresh群で5d (IQR 4-6d)、standard群で18d (12-25d)。臓器不全に有意差なし(20.2%. Vs. 18.2%)。敗血症、ARDS、死亡率も両群で有意差なし。 

Figure 2. 両群での臓器不全をアウトカムにしたKaplan-Meier

注意点・コメント

  • 保存期間とカリウムの関係性については調べられていないが、海外の赤血球輸血製剤は日本と異なりradiationされてないことが多いので、あまり関係ないかもしれない。
  • 42日間保存できる輸血製剤に対し、standard群の中央値が18日であるため、そこまで長期保存ではない。
  • Intervention期間(28日/退院/死亡)輸血量の中央値がfresh, standardそれぞれ17.5ml/kg,  16.6ml/kgと、影響が出るほど多くない印象。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。