コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
インターベンション

完全房室中隔欠損症に対する肺動脈絞扼術

Devlin PJ, et al.

Pulmonary artery banding in complete atrioventricular septal defect.

J Thorac Cardiovasc Surg. 2020 Apr;159(4):1493-1503.e3. doi: 10.1016/j.jtcvs.2019.09.019. Epub 2019 Sep 24. PMID: 31669019.

背景

  • 完全房室欠損症(cAVSD)に対し、通常は4-6ヶ月で根治術を行うことが多い。
  • 低体重や低年齢などでは、肺動脈絞扼術(PAB)を行うこともある。
  • CHSSコホートを用いて、cAVSDに対するPABの経過を知りたい。

要点

  • 28施設、後ろ向き観察研究、1歳以下、cAVSD患者
  • n=474のcAVSD。50名(balanced 25, unbalanced 25)がPABを施行され、333名が最初から根治術を施行された。PAB施行時の年齢の中央値は1.1ヶ月(3d-7m)。Balanced 23/25と、unbalanced 10/25が後に二心室修復を施行された。PAB前後で全体としてのLAVVRに変化なし。PAB後に二心室修復した群の4年生存率は、最初から二心室修復した群と有意差なし。

注意点・コメント

  • あくまでデータベースを用いた観察研究であり、descriptiveに数字を並べているだけ。「〇〇のような経過をたどる可能性(症例)あり」ということはわかるが、どの治療(計画)が良いかを評価した研究ではない。
  • つまり、どの年齢でPABが勧められるか、どの症例で二心室修復が期待できるか、といったことはわからない。
  • PAB後の二心室修復後の生存率に関しても、二心室修復まで辿り着かなかった症例もあり、PABの有効性としては評価できない。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。