Savla JJ, Faerber JA, Huang YV, Zaoutis T, Goldmuntz E, Kawut SM, Mercer-Rosa L.
2-Year Outcomes After Complete or Staged Procedure for Tetralogy of Fallot in Neonates.
J Am Coll Cardiol. 2019 Sep 24;74(12):1570-1579. doi: 10.1016/j.jacc.2019.05.057. PMID: 31537267; PMCID: PMC7155423.
背景
- 許容範囲外のチアノーゼやPDA依存性の肺血流といった、症候性のファロー四徴症(TOF)では、新生児期の外科的介入が必要となることがある。
- 根治術、または根治術前にシャントなどの姑息術を経る方法で、どちらの方が予後が良いのか不明。
要点
- 米国50施設のデータベースを用いた後ろ向き研究、生後30日以内にTOFに対して根治術または姑息術を施行された新生児
- 術後2年のフォローアップ。Primary outcomeは死亡。Propensity scoreを用い、stabilized inverse probability weightを用いて生存解析。個々の患者情報だけでなく、病院毎のperformanceとしてVSD術後の病院滞在日数をproxyとして用い、preferenceとして根治術/姑息術のpercentageを用い、共に交絡因子として考慮。
- n=2363。根治術後92名(12.5%)、姑息術後147名(10.8%)が2年以内に死亡。根治術は2年以内の死亡と有意に関連(Hazard ratio 1.51, 1.05-2.06)。術後心合併症は根治術後に多かった。
Central illustration

注意点・コメント
- 交絡因子を調整するため、propensity scoreを計算し、stabilized inverse probability weightingを使用。また、生存解析でも術後30日以内はhazardsが常に比例しているという仮定がりなって以内として、7日以前 or 以降で分けるなど、根治術が死亡に与える影響を調べるための因果推論を遂行すべく丁寧に行われている。
- 死亡がアウトカムとなっているため、総病院滞在日数・transannular approachの有無、心機能、脳神経発達など、その他のアウトカムは不明。もちろん、2年以降の予後も不明。
- 交絡因子を考慮すべくかなり詳しくデータを集めているが、それでもデータベースを元にしているため、個々の症例の詳細までは把握できていない。例えば、術前のSaO2、右室流出路の狭窄の程度、VSDの大きさなどはpropensity scoreで考慮されていない。
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