Silvetti S, Landoni G, Castagnola E, Nuri H, Pomé G, Moscatelli A.
Antibiotic Management for Delayed Sternal Closure Following Pediatric Cardiac Surgery: A Systematic Review of Recent Literature.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2020 May;34(5):1333-1340. doi: 10.1053/j.jvca.2019.07.134. Epub 2019 Jul 24. PMID: 31420313.
背景
- Delayed sternal closure (DSC)は、小児心臓外科術後の呼吸や循環動態が不安定な患者では有効な選択肢である。
- 開胸のままであるため、感染症に対する心配があるが、感染予防のためのガイドラインは存在しない。
- 成人のSSI予防のガイドラインに沿った管理と、それを逸脱した管理で、開胸患者のSSIの差があるかを調べてみた。
要点
- メタ解析、2000年~2019年、小児、心臓外科術後、DSCを施行された患者
- Standard: セフェム系単剤(アレルギーがある場合はclindamycinかvancomycin)vs. Non-standard: それら以外の抗生剤の使用
- 12 studies、2023名。15.9%にあたる350名が感染症を併発し、182名(8.3%)がSSIとなった。Non-standard群の方が有意にSSIの頻度が高かった(8.8% vs. 6.8%, p=0.001)。
注意点・コメント
- Standard vs. non-standardで、抗生剤の種類のみで決めており、用量や投与期間はバラバラ。閉胸まで続けている研究や、閉胸後48時間継続している研究もあれば、DSCのタイミングに関わらず術後2dで中止している研究もある。
- 全て後ろ向き研究であり、RCTは一つもない。
- それぞれの研究内でstandard vs. non-standardを比較しているわけではなく、研究間のデータを合わせて比較しているため、ただの発生率の比較であり、交絡因子は何も調整されていない。
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