コヘルツ論文セレクション 
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呼吸

TCPC術後の早期抜管が予後を改善する

Ono M, Georgiev S, Burri M, Mayr B, Cleuziou J, Strbad M, Balling G, Hager A, Hörer J, Lange R. Early extubation improves outcome following extracardiac total cavopulmonary connection.

Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2019 Jul 1;29(1):85-92. doi: 10.1093/icvts/ivz010. PMID: 31220277.

背景

  • TCPC後の早期抜管の有効性については、これまで提唱されてきた。
  • この施設でも、2009年に早期抜管ストラテジーが導入された。
  • 不安定な患者も含めた解析が必要である。

要点

  • 単施設後ろ向き研究、早期抜管strategy導入(2009年)前後比較研究、1999年〜2017年、TCPCを施行された小児、n=458
  • ICU入室後6時間以内の早期抜管群(Group A)と後期抜管群(Group B)を比較。また、Group Aの中で安定群・不安定群に分け、早期抜管前後で比較。
  • 人工呼吸期間(median: 4 h vs 16 h, P < 0.001)、24時間輸液量(mean: 110 ml/kg vs 164 ml/kg, P=0.003), 胸腔ドレーン留置期間(median: 3 days vs 4 days, P=0.028)、ICU滞在日数(median: 6 days vs 7 days, P = 0.001)に有意差あり。再挿管や早期死亡率に有意差なし。Group Aでは、血行動態が不安定群も抜管後の平均血圧は上昇し、安定群と同様となった(Figure 3A)。

注意点・コメント

  • Fontan術後の早期抜管を謳う研究は複数あるが、臨床的疑問としては「どの程度覚醒遅延や血行動態が不安定な患者も抜管してよいのか」というものである。その点、本研究は早期抜管群を安定・不安定群に分けて比較しているのは面白い。
  • Strategy導入前後に関わらず全ての患者は(手術室ではなく)ICUで抜管されている。「血行動態に関わらず抜管、抜管前のFiO2は80%まで許容」と、かなりaggressiveな早期抜管と言える。
  • 9年にもわたる前後比較研究であり、外科手技や麻酔の進歩による影響は否定できない。麻酔やICUでの管理の詳細(使用麻酔量など)についてもデータがない。
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木村聡
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