Lehnert A, Villemain O, Gaudin R, Méot M, Raisky O, Bonnet D.
Risk factors of mortality and recoarctation after coarctation repair in infancy.
Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2019 Sep 1;29(3):469-475. doi: 10.1093/icvts/ivz117. PMID: 31089681.
背景
- 大動脈縮窄症では、術後再狭窄が問題となる。
- 本研究では、大動脈縮窄症の再手術の危険因子を調べてみた。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、大動脈縮窄症(±心室中隔欠損)で生後3ヶ月以内に手術を施行された患者
- 術後経過をKMで示し、死亡や再手術の危険因子をCox regressionで解析。
- n=530。手術施行時の年齢の平均は日齢13。Follow-upの中央値は7.57年で、61(11.5%)が大動脈弓の再手術を受けた。生後15日未満の手術(p=0.032)と手術時PGE1使用(p=0.0072)は、再手術の危険因子であった。
Figure 2. 大動脈縮窄症の手術時の、PGE1使用の有無による、free from reintervention

注意点・コメント
- PGE1は、縮窄症や離断症では時に循環を保つために必須の薬剤であるが、その使用が再手術と関連していることを示した研究。
- PGE1の使用によって縮窄部位の動脈内膜の性状を変化させ、術中切除部位の判断に影響を与えるのではないかという考察。実際、PGE1投与群では、End-to-end吻合が再狭窄の危険因子であった。
- 交絡因子の選択など不明な点が多く、「PGE1の使用が再狭窄を増やす」とするのは難しい。しかし、PGE1の使用が昔よりも増えている(40% vs. 96%, p<0,.001)らしく、そのような現状に疑問を投げかけている。
ABOUT ME