コヘルツ論文セレクション 
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インターベンション

PA/IVSと長期予後

Wright LK, Knight JH, Thomas AS, Oster ME, St Louis JD, Kochilas LK. Long-term outcomes after intervention for pulmonary atresia with intact ventricular septum.

Heart. 2019 Jul;105(13):1007-1013. doi: 10.1136/heartjnl-2018-314124. Epub 2019 Feb 2. PMID: 30712000; PMCID: PMC6571047.

背景

  • PA/IVSは、解剖学的にも変化が富んでおり、治療も様々である。
  • 治療方法による長期予後の違いを調べた研究はない。

要点

  • 1982年〜2003年、米国47施設のデータベース、PA/IVSに対し、初回介入(aortopulmonary shunt and/or RV decompression)を施行された患者
  • 術後のフォローアップ(中央値16.7年)。初回介入後の死亡、根治術(Fontan, one-and-a-half, two-ventricle repair) 後の死亡を比較。
  • n=619。491名(79.3%)が初回介入後に生存退院できた。358名(58%)が根治術までたどり着いた。根治術後の生存率:Fontan 97.6%, one-and-a-half 90.9%, two-ventricle repair 98.0%; p=0.052)。

Figure 1

注意点・コメント

  • Variationの割りにサンプルサイズが小さいためか、logistic regressionでは体重(ex. <2.5kg)や冠動脈異常(RV-coronary fistula)さえも死亡の独立危険因子となっていない。そのため、殆どの考察はunivariate analysisの結果を元にされている。
  • RV decompression一つとっても、外科的やカテーテルの方法があり、ひとまとめにするのは無理がある。もちろん、fistulaの有無によっても適応は変わってくるであろうし、上記のunivariateの結果を元にした考察は難しい。
  • 根治術まで到達すると、かなり生存率は良い。One-and-a-halfがやや低めなのも、交絡因子を調節していない結果であり評価が難しい。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。