コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ

頭部外傷小児患者に対する23.4%高張食塩水と頭蓋内圧:10年の解析

Wu AG, Samadani U, Slusher TM, Zhang L, Kiragu AW.

23.4% Hypertonic Saline and Intracranial Pressure in Severe Traumatic Brain Injury Among Children: A 10-Year Retrospective Analysis.

Pediatr Crit Care Med. 2019 May;20(5):466-473. doi: 10.1097/PCC.0000000000001867. PMID: 30664588.

背景

  • 頭部外傷(TBI)後の頭蓋内圧(ICP)亢進に対しては、高張食塩水 (HTS)が用いられている。
  • 3% HTSが一般的であるが、成人の重症症例では23.4% HTSも用いられている。
  • 小児での効果を調べたい。

要点

  • 単施設、後ろ向き、重症TBI、23.4% HTS使用、小児
  • 23.4% HTS 0.6ml/kg (max 30ml)を中心静脈から投与。IndicationはICP >20mmgの持続または脳ヘルニアの考えられる神経症状があり、中心静脈のある患者。
  • 1587名のTBI中、重症が155名、23.4%HTSを投与されモニタリングされた患者は26名、101回の投与。平均年齢10歳(2mo – 17yo)。ICPは1時間後、4時間後ともに有意に低下。

注意点・コメント

  • Bolusが5時間あくと、”cluster”ではなく、”single HTS”に分類される。すなわち、first bolusのみではないため、厳密にはそれぞれのデータがindependentではない。
  • CPMといった急速Na補正の合併症の評価はされていない。
  • その他の濃度のHTSやマンニトールといった、他の治療の影響も当然否定できない。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。