コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
輸液・電解質

小児におけるECMO中の溶血と急性腎不全

Borasino S, Kalra Y, Elam AR, Carlisle O’Meara L, Timpa JG, Goldberg KG, Collins Gaddis JL, Alten JA.

Impact of Hemolysis on Acute Kidney Injury and Mortality in Children Supported with Cardiac Extracorporeal Membrane Oxygenation.

J Extra Corpor Technol. 2018 Dec;50(4):217-224. PMID: 30581228; PMCID: PMC6296454.

背景

  • 遊離ヘモグロビン(PFH)の上昇は、腎不全を代表とする臓器障害と関連することが示されている。
  • ECMO中のPFHが、離脱後のmorbidityに与える影響は不明。

要点

  • 単施設、後ろ向き研究、小児循環集中治療室入室、心疾患あり、ECMO使用
  • PFHを毎朝測定。ECMO中のPFHの推移や、ECMO離脱後のprolonged RRTやmortalityの有無で、ECMO中のPFHに差があるか調べた。
  • n=50。39名(78%)がECMOから離脱。PFHの中央値は56.2mg/dl。ECMO後にPFHは上昇したが、その後比較的安定。Prolonged RRTの有無で、ECMO中のPFHは有意に差あり(中央値:67.5 vs. 46.7 mg/dl, p=0.025)(最高値:120 vs. 60 mg/dl, p=0.016)。ECMO時間で調整後も、PFH値はprolonged RRTと有意に関連。PFHはECMO pump parametersとは関係なし。

Figure 2. 腎代替療法を要した患者 vs. 要さなかった患者でのPFHの推移

注意点・コメント

  • 11名は離脱できずに死亡しているが、仮に14日以内に死亡したとしてもprolonged RRT群に分類している。すなわち、prolonged RRT群に重症患者が集まるように分類しており、「PFH高値の腎不全に対する影響」を評価しづらくなっている。
  • また、多変量解析は単変量とbackward stepwiseを用いて変数を選択しているが、サンプルサイズが小さいため多くの変数(potential confounderも含む)はp値により除外されてしまう。
  • PFHのアウトカムに対する影響を調べるのであれば、本研究で調べたPFTのcutoffで二群に分けて解析してみたい。
ABOUT ME
木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。