コヘルツ論文セレクション 
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インターベンション

TAPVCとfutureless technique:メタ解析

Wu Y, Xin L, Zhou Y, Kuang H, Jin X, Li Y, Wu C.

Is Sutureless Technique Beneficial in the Primary Repair of Total Anomalous Pulmonary Venous Connection? A Systematic Review and Meta-Analysis.

Pediatr Cardiol. 2019 Jun;40(5):881-891. doi: 10.1007/s00246-018-1948-y. Epub 2018 Sep 8. PMID: 30196381.

背景

  • TAPVCに対するsutureless techniqueの利点は、ほぼ全てのタイプのpulmonary venous confluenceに対し応用できること、肺静脈の良好な視野、血管内皮を巻き込まないことでscarや肺静脈の捻れが少ないことである。
  • 欠点としては、心膜と合流部の境からの出血が挙げられる。
  • 昔から施行されていたconventional repairとの予後の差をメタ解析で調べてみた。 

要点

  • TAPVCに対し、suturelessまたはconventional surgeryで修復され、術後のPVO/死亡/PVOに対する再手術を報告した研究を対象
  • 26研究、患者数2702名。RCTはなく、後ろ向きに両者を比較した研究が4つ。22はsuturelessまたはconventional repairどちらかの予後のみを報告。
  • Sutureless techniqueは、術後PVO発生率が有意に低下(OR 0.54; 95% CI 0.32–0.91; P = 0.02)。死亡率に有意差なし(OR 0.61; 95% CI 0.36–1.03; P = 0.07)。

Figure 2. 術後PVOの発生率

注意点

  • メタ解析において仕方のないことであるが、PVOの定義は研究によってバラバラ。
  • Egger’s testを用いてpublication biasを評価しているが、4つしか両者を比較した研究がないためunderpower。すなわち、本結果はpublication biasである可能性は十分にある。
  • 死亡率に有意差なしであるが、CI 0.36-1.03であり、underpowerに可能性あり。
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木村聡
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