Mills KI, van den Bosch SJ, Gauvreau K, Allan CK, Thiagarajan RR, Hoganson DM, Baird CW, Nathan M, DiNardo JA, Kheir JN.
Physiologic effects of delayed sternal closure following stage 1 palliation.
Cardiol Young. 2018 Dec;28(12):1393-1403. doi: 10.1017/S1047951118001385. Epub 2018 Aug 28. PMID: 30152302.
背景
- Delayed sternal closure (DSC)は、stage 1術後に用いられる手法である。
- DSCには呼吸循環に対し理論的にはメリットがあるが、その生理学的変化を捉えた研究はない。
- DSCによる生理学的変化や、閉胸できなかった患者の循環動態の特徴をみるべく、本研究を施行した。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、stage 1手術を施行された患者
- DSCの前後の呼吸と循環パラメーターを比較。また、DSC成功群と失敗群で、それらパラメーターを比較。
- 193名中、25名が手術室で閉胸、168名が開胸のままICU入室。12名が閉胸前に死亡したため、本研究の対象は156名。11名がDSC後開胸し、DSC失敗群として分類。
- DSC成功・失敗の間で血圧、CVP、inotrope score、気道内圧、肺コンプライアンスなど有意差なしだが、DSC後、SvO2は失敗群で有意に低値。DSC後にrSO2やSVO2が有意に低下。
注意点・コメント
- 閉胸による呼吸や循環パラメーターがどのように変化しているのかを数字で示した研究。
- 閉胸後に肺のコンプライアンスやCVP、血圧に大きな差がないとしているが、グラフを見ると閉胸後一時的に悪化しその後改善していることがわかる。閉胸後2,3時間を乗り切ればその後は改善するということか。
- DSC成功・失敗群で呼吸や循環パラメータに有意差が殆どない中、SvO2はDSCの成否を占う重要な指標。
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