コヘルツ論文セレクション 
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輸液・電解質

先天心臓術後の薬剤腎毒性と急性腎不全

Uber AM, Montez-Rath ME, Kwiatkowski DM, Krawczeski CD, Sutherland SM.

Nephrotoxin exposure and acute kidney injury in critically ill children undergoing congenital cardiac surgery.

Pediatr Nephrol. 2018 Nov;33(11):2193-2199. doi: 10.1007/s00467-018-4010-7. Epub 2018 Jul 9. PMID: 29987455.

背景

  • 急性腎不全は小児心臓外科術後の合併症の一つ。
  • 術後様々な腎毒性のある薬剤を使っているが、それらを減らすことでAKIを減らせる可能性もある。
  • 腎毒性のある薬剤がどのくらい腎不全に関わっているかを検証したい。

要点

  • 後ろ向き研究、心臓手術後、18歳未満
  • 腎毒性のある薬剤を3種類以上同時に使用群 vs. 3種類未満の使用群。KDIGOを用いたAKIを比較。
  • n=154。AKI発生に有意差なし(62.5% vs. 50.8%)。多変量解析でも3種類以上の腎毒性のある薬剤は独立危険因子でなかった。

Figure 2. 腎毒性のある薬剤と急性腎不全の発生率

注意点・コメント

  • サンプルサイズが小さく、単に検出力不足の可能性。実際、腎毒性のある薬剤使用が少ない方が、AKI発生率が低い。
  • 腎毒性のある薬を一律に「1」としてカウントしているが、実際はより腎毒性の高い薬剤、低い薬剤があるはず。これも検出力不足に関与。
  • サンプル数が小さいため、多変量解析もSTAT, CPB time, vasoactive medication numberのみしか調整できていない。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。