Wong JJ, Chen CK, Moorakonda RB, Wijeweera O, Tan TYS, Nakao M, Allen JC Jr, Loh TF, Lee JH.
Changes in Near-Infrared Spectroscopy After Congenital Cyanotic Heart Surgery.
Front Pediatr. 2018 Apr 13;6:97. doi: 10.3389/fped.2018.00097. PMID: 29707528; PMCID: PMC5908891.
背景
- 先天性心疾患のSpO2は、根治術後改善する。
- NIRSを用いた脳(CrO2)と腹部(SrO2)は、術後どのように変化するのだろうか。
要点
- 前向き観察研究、単施設、18歳未満、先天性心疾患、心臓手術を受けた患者
- CPB前から退院まで6 time pointで、CrO2とSrO2を計測。
- n=21。15名が根治術、6名が姑息術。根治術群では、SpO2はCPB後すぐに改善し、退院まで正常値。CrO2はCPB後変化せず、退院時には低下(72.1% vs. 60.5%, p=0.005)。SrO2はCPB後上昇したが、その後徐々に低下(72.7% vs. 66.9%, p=0.048)。根治術群では変化なし。
Table 5. 周術期のSpO2, 脳、腹部組織酸素飽和度の変化

注意点・コメント
- サンプル数が少なく、年齢や疾患、術式など患者層もかなりバラバラであり、descriptive studyであるが、術前後で脳や腹部のNIRSを比較した興味深い研究。
- CoacやGlenn, Fontanも含まれており、術後腸管の血流の変化やうっ血の増加なども関与しているかもしれない。
- 根治術群でSpO2が上昇しているのに、NIRSが低下する理由は何であろうか。測定値に関わる因子(鎮静剤の低下による酸素需要の増加、LCOS、Hb、血流再分布etc)が考えられるが、本研究からは推測できない。
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