Gnannt R, Waespe N, Temple M, Amirabadi A, Liu K, Brandão LR, Connolly BL.
Increased risk of symptomatic upper-extremity venous thrombosis with multiple peripherally inserted central catheter insertions in pediatric patients.
Pediatr Radiol. 2018 Jul;48(7):1013-1020. doi: 10.1007/s00247-018-4096-x. Epub 2018 Feb 27. PMID: 29487965.
背景
- Peripherally inserted central catheter (PICC)は、末梢静脈から挿入可能な中心静脈カテーテルであり、小児でも頻繁に使用されている。
- 小児における、PICCの血栓症発生率や危険因子は不明。
- 複数回のPICC挿入は、血栓発生と関連しているのであろうか。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、0-18歳、PICCを上肢に挿入
- 「研究期間終了、またはその他の中心静脈カテーテル挿入、反対側のPICC、静脈血栓の発生」までfollow-up。Primary outcomeは静脈血栓。
- n=2180。静脈血栓発生は、1回目のPICCで77/1955 (3.9%)、2回目のPICCで8/181 (15.8%)、3回目のPICCで6/38 (15.8%)、4回目のPICCで1/6 (16.7%)。3回目と4回目を合わせると、1回目より有意に血栓発生率が高い(OR 6.00, 95%CI 2.25-16.04; p=0.0004)。
Figure 1. PICC挿入から血栓発生までの時間

注意点・コメント
- 反対側のPICC挿入で「1回目のPICC」としてカウントされている。すなわち、n=2180の中には、同一人物が複数含まれていると考えられる。このような重症患者は血栓発生率が高いと考えられ、バイアスを引き起こす。
- 新しいPICCを挿入すると、2回目、3回目、、、というようにgroupが変更されるため、1回目のPICC群が最もfollow-up期間が短い可能性。実際、follow-up時間の中央値は1回目のPICC群で21日と最も短い。
- PICCを複数回挿入しなければならない患者は新機能や凝固異常が多いと予想されるが、それらの調整はされていない。Fig 1のKMに関しても、単純比較のみ。
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