コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
循環

心肺蘇生中の拡張期血圧と生存率との関係

Berg RA, Sutton RM, Reeder RW, Berger JT, Newth CJ et al.

Association Between Diastolic Blood Pressure During Pediatric In-Hospital Cardiopulmonary Resuscitation and Survival.

Circulation. 2018 Apr 24;137(17):1784-1795. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.117.032270. Epub 2017 Dec 26. PMID: 29279413; PMCID: PMC5916041.

背景

  • 仮説:小児のCPR時、拡張期血圧をある程度保つことは、予後改善につながるのではないか。

要点

  • 妊娠37週以上、19歳未満、胸部圧迫1分以上、CPR前から間欠的動脈圧測定あり、
  • 1歳未満のCPR時平均拡張期血圧>=25mmHg、1歳以上のCPR時平均拡張期血圧>=30mmHgと予後との関係を評価。
  • n=164。平均CPR時間は8分(IQR 3-27)。上記目標拡張期血圧を満たした患者は、101名(62%)で、多変量解析でも生存率改善と有意に関係(RR 1.7 (1.2-2.6, p=0.001)。神経学的予後改善とも関係(RR 1.6, p=0.02)。

注意点・コメント

  • 多変量解析で調整した項目は、年齢、arrest前のリズム、CPRの場所のみ。原疾患やCPR前の状態は不明。例えば、窒息といった呼吸が原因の心停止は予後が良いと予想できるし、小児心臓外科術後の単心室で循環が落ちた心停止は予後は芳しくないであろう。それらの交絡因子は調整されていない。
  • すなわち、CPRで圧がでるような患者は予後が良いのではないか。予後良好因子ではあるが、因果かどうかは不明。
  • 何故count dataでもないのにPoisson regressionを用いているのかわからない(→おそらく自分の勉強不足。分かる人、コメントください)。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。