Castaldi B, Bordin G, Padalino M, Cuppini E, Vida V, Milanesi O.
Hemodynamic impact of pulmonary vasodilators on single ventricle physiology.
Cardiovasc Ther. 2018 Feb;36(1). doi: 10.1111/1755-5922.12314. Epub 2017 Dec 22. PMID: 29193758.
背景
- Fontan循環では、静脈圧は3つの因子に依存している:全身静脈-肺動脈のエネルギー喪失、肺毛細血管のエネルギー喪失、肺静脈-心室のエネルギー喪失(EDP or AV valve)。
- すなわち、肺血管抵抗を低く保つことは大切。
- Fontan患者に対する肺血管拡張薬の有効性は不明。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、単心室、心臓カテーテル検査を2回施行
- Group A: Glenn術後またはFontan直後に肺血管拡張薬を開始、Group B: Fontan術後5年以上経ってから肺血管拡張薬を開始、Group C: 肺血管拡張薬の使用はないがFontan前後で心カテ施行。血管作動薬の使用前後やGroup間で血行動態を比較。
- Group A, Bともに、血管作動薬前後でPVRやNakata indexが改善。Group AとCを比較すると、2つのカテーテル検査の変化としては、PVRや肺動脈の径の変化は、両群で有意差あり。
注意点・コメント
- 単心室患者に対する肺血管拡張薬投与、そしてその前後で心臓カテーテル検査を行い変化をみているという点では、貴重なデータ。
- ただし、その患者背景にはあまりにも差が大きく、単純比較は難しい。そもそも、 GlennやFontan、そしてFontan術後時間が経過している症例を全て含んでしまっている。また、カテーテル検査の適応もバラバラ(予定ではなく何かしらのイベント発生し検査を施行した症例が多い)であり、血行動態も素直に薬剤の影響とは解釈できない。
- 基本的には薬剤開始前後の比較が多く、単心室患者に対し、血管拡張薬により血管が拡張したということを示した、というのが要約となってしまう。
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