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循環

小児心臓手術における予防的levosimendan:メタ解析

Hummel J, Rücker G, Stiller B.

Prophylactic levosimendan for the prevention of low cardiac output syndrome and mortality in paediatric patients undergoing surgery for congenital heart disease.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Aug 2;8(8):CD011312. doi: 10.1002/14651858.CD011312.pub3. PMID: 28770972; PMCID: PMC6483297.

背景

  • 成人の心臓外科術後の心室機能不全に対するlevosimendanは、死亡率を低下させるというmeta-analysisがある(Lim. J Card Surg. 2015)。
  • 小児においてのエビデンスは少ない。

要点

  • 2016年まで、RCTのみ、18歳以下、先天性心疾患に対し心臓手術施行、術中または術後予防的にlevosimendan投与
  • 上記inclusion criteriaでmeta-analysis。Primary outcomeは30日死亡率。
  • 5つのRCTs、n=212。全て5歳未満。30日死亡率のRR 0.47 (0.12-1.82)。I^2=0% (0-55.3%)。その他、ICU滞在期間、LCOS、人工呼吸器期間に有意差なし。

Figure 4. 死亡率に対するForest plot

注意点・コメント

  • 2/5研究はblindなしのRCT。また、controlには様々なカテコラミンがふくまれており、control群がバラバラ。
  • 30日死亡率がprimaryであるが、実際には6日しかfollow-upできず。また、mortalityに関しては3つのRCTでn=123しかない。広い信頼区間の割には、levosimendanに寄っている印象。実際、power calculationを行ったところn=652必要であるとのことなので、単なる検出力不足かも。
  • 小児心臓外科の6日以内の死亡はかなりレアであるはずで、major adverse eventsなどのcomposite outcomeを評価する研究が多い中、mortalityで押し通したところがある意味すごい。ただ、9/123 (7%)も術後6日以内に死亡しているのは、臨床よりもかなり多い印象。
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木村聡
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