コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
循環

肺高血圧症に対するミルリノンの投与量と効果

Barnwal NK, Umbarkar SR, Sarkar MS, Dias RJ.

Randomized comparative study of intravenous infusion of three different fixed doses of milrinone in pediatric patients with pulmonary hypertension undergoing open heart surgery.

Ann Card Anaesth. 2017 Jul-Sep;20(3):318-322. doi: 10.4103/aca.ACA_231_16. PMID: 28701597; PMCID: PMC5535573.

背景

  • 肺高血圧に対し、PDE III阻害薬であるミルリノンは肺血管抵抗を下げる作用がある。
  • 用量によっての作用の違いは定かではない。

要点

  • 二重盲検、RCT、単施設、生後6週から12歳、肺高血圧(PAP>50mmHg)
  • ミルリノン0.375 mcg/kg/min (Group 1: low), 0.5 mcg/kg/min (Group 2: medium), 0.75 mcg/kg/min (Group 3: high)の三群に分け、血行動態や追加の血管作動薬の使用を比較。
  • 平均血圧や中心静脈圧に有意差なし。低血圧に対する追加の血管作動薬の使用は、high-dose群で有意に高頻度。人工呼吸器期間やICU滞在日数に有意差なし。

Figure 1. 追加の心血管作動薬の必要性

注意点・コメント

  • 筆者は「低・中・髙用量で主な効果に有意差ないが追加の血管作動薬が増えるので、低用量が良い」としている。しかし、肺高血圧に対するミルリノンの使用であるはずだが、肝心の肺動脈圧や右心機能についての評価がない。すなわち、上記のアウトカムのみで、そのような結論にはならない。
  • ミルリノン使用の有無を比べた研究ではないので、そもそもミルリノン投与が有効か否かも判断できない。
  • Variationの非常に多い小児心臓という領域で、ミルリノンの効果を一律に調べるのには無理があるだろう。
ABOUT ME
木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。