Rescoe E, Tang X, Perry DA, Sleeper LA, DiNardo JA, Kussman BD, Kheir JN.
Cerebral near-infrared spectroscopy insensitively detects low cerebral venous oxygen saturations after stage 1 palliation.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2017 Sep;154(3):1056-1062. doi: 10.1016/j.jtcvs.2017.03.154. Epub 2017 May 16. PMID: 28599970.
背景
- 単心室では、本当の混合静脈血酸素飽和度(SvO2)がわからないため、上大静脈からの中心静脈酸素飽和度(ScvO2→脳静脈酸素飽和度)で代用することがある。
- 脳酸素飽和度(rSO2)は、脳静脈・毛細血管・動脈血が様々な割合で混ざった酸素飽和度である。
- 単心室疾患において、ScvO2とrO2の関連を調べたい。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、Stage 1 palliationを施行された新生児
- ScvO2とrO2の関連を、1. mixed effect model (時間とHbを考慮), 2. Bland-Altman, 3. ROC curveを用いて評価。また、rO2から動脈血の因子を除くために、動脈血因子が3割と仮定して脳静脈血酸素飽和度を予測した式を用いて、再度ScvO2との関連を評価。
- 73名、520ペアのデータ。Mixed effect modelでは0.37±0.04. (r^2=0.39, p<0.001)。ROC曲線下面積も0.82-0.87と高い。しかし、感度はとても低く、rSO2<30となるScvO2は、<30で1%、<40で1%、<50でも45.7%のみ。脳動脈の影響を除いたら、関連は少し良くなった。
Figure 2B. ScvO2の低下を発見するためのrSO2と、rSO2から計算したScvO2

注意点・コメント
- Mixed effect model以外はrepeated measurementsを考慮していないため、同じ個人が複数データを持つことになり、バイアスがかかる。
- 脳動脈・静脈・毛細血管の割合は時期や患者によって変化するかもしれず、この結果が全ての患者や機器に当てはなる訳ではない。
- それでも、rSO2の値で安心すべきではないというcaveatとしては、重要な論文。
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