コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
インターベンション

肺動脈閉鎖の患者における、RV decompressionと三尖弁逆流との関連

Petit CJ, Glatz AC, Qureshi AM, Sachdeva R, Maskatia SA, Justino H, Goldberg DJ, Mozumdar N, Whiteside W, Rogers LS, Nicholson GT, McCracken C, Kelleman M, Goldstein BH.

Outcomes After Decompression of the Right Ventricle in Infants With Pulmonary Atresia With Intact Ventricular Septum Are Associated With Degree of Tricuspid Regurgitation: Results From the Congenital Catheterization Research Collaborative.

Circ Cardiovasc Interv. 2017 May;10(5):e004428. doi: 10.1161/CIRCINTERVENTIONS.116.004428. Erratum in: Circ Cardiovasc Interv. 2017 Jun;10(6): PMID: 28500137.

背景

  • PA/IVSでは、可能であれば肺動脈弁を開通させるRV decompressionが選択されることが多い。
  • 二心室修復を目指しているものの、それまでに何度もinterventionが必要となる症例や、結果的に二心室修復に辿り着かない症例がある。

要点

  • 4施設、後ろ向き研究、PA/IVSに対しRV decompressionを施行された新生児、
  • Primary outcomeはRV decompression後の何かしらの再介入。Secondary outcomeは循環の種類(Fontan/one-and-a-half/two ventricle)。それぞれの独立危険因子を調査。
  • n=99。RV decompressionは生後3日(IQR 2-5)で施行。多変量解析で、介入前のmild以下の三尖弁逆流は何かしらの再介入と有意に関連(Hazard ratio 3.58, 2.04-6.30, p<0.001)。また、mild以下の三尖弁逆流はFontan/one-and-a-half循環と有意に関連(Odds ratio 18.6, 5.3-65.2, p<0.001)。

Table 3. 何らかのreintervention

注意点・コメント

  • 簡単に言えば、介入前のTRがあれば介入後の何らかの処置が不要となり、二心室修復の可能性が高まることを示した論文。
  • 99名の中で外科的にRV decompressionを施行された患者は3名のみ。最近のtrendを示していると思われるが、外科的にdecompressionを施行された患者には本結果をapplyできず、selection biasとなる。また、心室と冠動脈のfistulaがある患者でRV decompressionが憚られる患者にも当てはめることはできない。
  • 「何らかのreintervention」にFontanやGlennも入っており、二心室修復が最終形かつ最適であると仮定している。しかし、こちらの論文のように Fontanやone-and-a-halfの予後も良いため、そもそものgoal設定にも疑問が残る。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。