コヘルツ論文セレクション 
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循環

開心術後の低心拍出量症候群のスコアリングと死亡率との関連

Ulate KP, Yanay O, Jeffries H, Baden H, Di Gennaro JL, Zimmerman J.

An Elevated Low Cardiac Output Syndrome Score Is Associated With Morbidity in Infants After Congenital Heart Surgery.

Pediatr Crit Care Med. 2017 Jan;18(1):26-33. doi: 10.1097/PCC.0000000000000979. PMID: 28060152.

背景

  • Vasoactive-Inotropic Score (VIS)といったスコアリングは、LCOSのsurrogateとしては有効だが、practice dependent。
  • LCOSを表す、より臨床的なpractice independentなスコアリングが欲しい。

要点

  • 前向き観察研究、単施設、小児心臓手術を施行されCICUに入室した乳児
  • 「心拍数、尿量、末梢温、心血管作動薬、輸液負荷、NIRS値、乳酸値」を基にしたLow Cardiac Output Syndrome Score (LCOSS)を作成し、composite mobidity (長期人工呼吸器、心停止、臓器不全、NECなど)との関連を調査。
  • n=55。術後24時間以内の最大・合計LCOSSは、composite mobidityと有意に関連。AUROCは0.83で、カットオフとしては6を推奨。多変量解析でもそれらは独立危険因子。

Table 1. Low Cardiac Output Syndrome Score Components

注意点・コメント

  • LCOSSの項目の一つの心血管作動薬として「Milrinone>0.5mcg/kg/min」とmilrinoneのみを使用している。本薬剤のみを参考としており、当施設でしか使えないスコアリング。VISなどその他の薬剤を考慮した方が良いであろう。LCOSSの項目の一つの末梢温も、多くの研究で重症度には使えないという結果がでている。
  • AUROCが高いが、当施設での結果であり、上記を考えると他施設で使えるか疑問。
  • VISよりも多くの変数を使ったスコアリングAUROCが高いのはある意味当然。それに、Composite mobidityを予測したいのであれば、より多くの変数を用いたprediction modelを作れば良いのではないか。(ただし、著者が主張する「ベッドサイドでの簡単なスコアリング」という意味では劣ってしまう)。
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木村聡
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