コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
インターベンション

TAPVCの現在の管理と予後:768名のコホート

Shi G, Zhu Z, Chen J, Ou Y, Hong H, Nie Z, Zhang H, Liu X, Zheng J, Sun Q, Liu J, Chen H, Zhuang J.

Total Anomalous Pulmonary Venous Connection: The Current Management Strategies in a Pediatric Cohort of 768 Patients.

Circulation. 2017 Jan 3;135(1):48-58. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.116.023889. Epub 2016 Nov 15. PMID: 27881562.

背景

  • TAPVCの現在の管理と予後について、多施設で検討してみた。

要点

  • 後ろ向き、二施設(どちらも中国)、TAPVCに対し手術を施行された患者、単心室は除外
  • 死亡率とpulmonary venous obstruction (PVO)の危険因子と予後を評価。
  • n=768。690名がconventional repairを施行され、78名がsutureless techniqueを施行された。平均年齢は214日、平均体重は5.4kg。38名が術中死。年齢、mixed/infracardiac types、長期の人工呼吸器は死亡率と関連。 術前PVO、mixed/infracardiac types、人工心肺時間は術後のPVOと関連。術前PVOがある場合、suturelessで術後のPVO再発が有意に少ない。

注意点・コメント

  • 国や地域の影響か、TAPVCにしてはpresentationや手術時期がかなり遅い。術中死が38名いるのも驚き。発見が遅れて状態の悪いTAPVCも、積極的に手術していることが予想される。
  • 回帰分析のアウトカムが周術期死亡率となっており、術中死が含まれていると予想されるが、変数に人工呼吸期間など術後の変数が含まれてしまっている。
  • Suturelessの効果を評価したいようにもみえるが、単変量で有意でないからといって多変量でsuturelessをモデルから除外している。すなわち、suturelessの効果を評価しているのではなく、単にPVOの危険因子を評価しているだけ。
ABOUT ME
木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。