コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
循環

人工心肺へのNO投与

James C, Millar J, Horton S, Brizard C, Molesworth C, Butt W. Nitric oxide administration during paediatric cardiopulmonary bypass: a randomised controlled trial.

Intensive Care Med. 2016 Nov;42(11):1744-1752. doi: 10.1007/s00134-016-4420-6. Epub 2016 Sep 30. PMID: 27686343.

背景

  • NOは、アポトーシスの調整や血小板凝集や遊走の抑制、フリーラジカル生成の抑制といった効果がある。
  • 心臓手術時、NOが臓器の虚血再灌流障害に対して、保護的に働く可能性がある。

要点

  • 単施設、ランダム化比較研究、心臓手術を施行された小児、n=198
  • 人工心肺にNO(20ppm)を加えた群(n=101) vs. コントロール(n=97)。Primary outcomeは、術後のLCOS(乳酸、VIS、ECMOで定義)発生率。
  • 術後LCOS発生率はNO群で有意に低下(15 vs. 31%, p=0.007)。Subgroupにおいても、生後2歳未満や、複雑な手術の後にその差は有意であった。

注意点・コメント

  • 人工心肺時間やRACHS分類についての記載はあるが、できれば単心室/二心室やPIMなどの重症度スコアも知りたかった。
  • NOによる血小板凝集抑制からの出血は心配であるが、両群で出血量や輸血量に有意差なし。
  • メトヘモグロビンはNO群で有意に高かったが、その他の副作用については不明。Adverse eventsとして腹膜透析や人工呼吸器期間、病院滞在日数などを比べているが、NO群とコントロール群を比べたものではなく、LCOSの有無で比べたもの。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。