Bath S, Lines J, Loeffler AM, Malhotra A, Turner RB.
Impact of standardization of antimicrobial prophylaxis duration in pediatric cardiac surgery.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2016 Oct;152(4):1115-20. doi: 10.1016/j.jtcvs.2016.04.091. Epub 2016 May 10. PMID: 27245416.
背景
- 心臓外科術後の感染症は、縦隔炎や心内膜炎といった治療の難しい合併症となるため、予防的な抗生剤投与が推奨されている。
- 小児心臓外科術後の適切な抗生剤投与期間は不明。
- 胸骨閉鎖後48時間までとしたプロトコルを導入したため、その前後で感染症の発生率を比較。
要点
- 単施設、前後比較研究、18歳以下、心臓外科術後
- 抗生剤の投与を胸骨閉鎖後48時間までとしたプロトコル導入前後で、SSIの発生を比較。また、SSIの危険因子を調査。
- n=446。15 (3.4%)がSSIを発生。プロトコル前後で抗生剤の使用は有意に短縮(4.2 vs. 1.9 days, p<0.0001)。多変量解析で調整後は、プロトコル施行はSSIの危険因子ではなかった。
Table 2. SSIに対する多変量解析

注意点・コメント
- プロトコル前後で患者背景に多くの違いがあるが、年齢とDSC、血糖のみしか多変量解析で調整されていない。Univariate + stepwiseという変数選択をしているためと考えられるが、交絡因子の調整が不十分。
- ドレーンの本数や挿入期間といった、感染症の危険因子となるだろうデータが欠落。
- それでも、抗生剤投与を術後48時間までに短縮してもいいのでは?という提言としては大切。
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