コヘルツ論文セレクション 
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循環

単心室に対するジゴキシンと、stage間死亡との関係

Brown DW, Mangeot C, Anderson JB, Peterson LE, King EC, Lihn SL, Neish SR, Fleishman C, Phelps C, Hanke S, Beekman RH, Lannon CM; National Pediatric Cardiology Quality Improvement Collaborative. Digoxin Use Is Associated With Reduced Interstage Mortality in Patients With No History of Arrhythmia After Stage I Palliation for Single Ventricle Heart Disease.

J Am Heart Assoc. 2016 Jan 11;5(1):e002376. doi: 10.1161/JAHA.115.002376. PMID: 26755552; PMCID: PMC4859359.

背景

  • 単心室に対するNorwoodなどのstage 1後の死亡率は、未だ高く、特に家や救急外来での突然死が多い。
  • ジゴキシンは心不全や不整脈に対して用いられるが、単心室のstage 1後に対する効果は不明。

要点

  • 多施設(50施設)、データベースを用いた後ろ向き研究、単心室疾患、Stage 1からStage 2(or 移植 or 死亡)までの患者、退院時にジゴキシンを投与された患者、不整脈に対してジゴキシンを投与された患者は除外
  • Propensity scoreを用いたlogistic regressionを用いて、stage間の死亡の差を比較。また、施設や重症度などでマッチングさせた解析も施行。
  • n=544。非ジゴキシン群では、有意に死亡率が増加(OR 8.6, 1.9-38.3, p<0.01)。マッチングさせたコホート解析でも死亡率の差は9%で有意(p=0.04)。

注意点・コメント

  • 退院時ジゴキシンを投与されている患者のみを対象。すなわち、stage間に退院しなかった症例や、院内死亡に関しては解析されていない。Selectioin bias。
  • ジゴキシン投与のindicationがわからない。不整脈は除外されているが、その他のindicationとしては心不全か、LCOSか、その他か、不明。
  • それぞれの症例のstage 1の入院期間も不明。例えば、ジゴキシンを必要とする症例はstage 1後に長期の入院が必要であり、退院後すぐにstage 2となり死亡しなかった、などの可能性も否定できない。
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木村聡
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