コヘルツ論文セレクション 
小児心臓・集中治療に関わる研究を簡単かつ少しだけ読み込んで紹介するブログ
輸液・電解質

小児の低心拍出量症候群に対するカルシウム投与

Averin K, Villa C, Krawczeski CD, Pratt J, King E, Jefferies JL, Nelson DP, Cooper DS, Ryan TD, Sawyer J, Towbin JA, Lorts A.

Initial Observations of the Effects of Calcium Chloride Infusions in Pediatric Patients with Low Cardiac Output.

Pediatr Cardiol. 2016 Mar;37(3):610-7. doi: 10.1007/s00246-015-1322-2. Epub 2015 Dec 19. PMID: 26687150.

背景

  • 小児の心血管はカルシウムに依存しており、カルシウムを循環作動薬として使うことがある。
  • カルシウム投与による心拍出量を含めた血行動態の変化を評価。

要点

  • 後ろ向き研究、17歳以下、cardiac ICU入室患者、塩化カルシウムを5-10 mg/kg/hで投与、
  • Primary outcomeは、心拍出量増加のマーカー(動静脈酸素飽和度差)。
  • n=68。動静脈酸素飽和度差はカルシウム投与後2, 6時間で有意に低下。rSO2が有意に増加し、乳酸も有意に低下。新生児が最も効果的であった。

注意点・コメント

  • あくまで塩化カルシウム投与前後の比較。投与した方が良いかどうかを調べた研究ではない。
  • カルシウム濃度が正常の患者が80%とあるが、正常域が1-1.45mmol/Lとかなり広く設定している。1.0ではカルシウムを投与する臨床医が多いであろうし、1.4であれば投与しない人が多いであろう。それらをひとまとめにしているので、カルシウム濃度によるeffectの違いはわからない。
  • 新生児で最も効果が大きいことは臨床的にも合致している。ただ、それぞれの年齢による最適な濃度などは不明のまま。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。