Netto R, Mondini M, Pezzella C, Romani L, Lucignano B, Pansani L, D’argenio P, Cogo P.
Parenteral Nutrition Is One of the Most Significant Risk Factors for Nosocomial Infections in a Pediatric Cardiac Intensive Care Unit.
JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2017 May;41(4):612-618. doi: 10.1177/0148607115619416. Epub 2015 Nov 29. PMID: 26616137.
背景
- 院内感染は先天性心疾患患者においても大きな問題であり、予後やコストといった面において減らすべき合併症である。
- 院内感染症の危険因子を知りたい。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、小児循環集中治療室(PCICU )入室
- PCICU入室後48時間以内に発生した感染症を院内感染とし、その危険因子を調査。
- 多変量解析による院内感染の独立危険因子は、経静脈栄養期間、呼吸器サポート日数、PCICU入室前の入院、PCICU滞在期間であった。
注意点・コメント
- Introductionに仮説が書いてない。結果的に経静脈栄養と感染症の関連性があったようであるが、「経静脈栄養が感染症を増やす」という仮説がそもそもないため、その因果推論を行うことが難しい。
- 院内感染というアウトカムと、回帰分析に入っている変数との時間軸がバラバラ(アウトカムよりも時間的に後の変数あり)。因果推論としても、予測モデルとしても、不適切。時間的な前後関係のない、単なる関連性をみているだけ。
- すなわち、本研究をもって、「経静脈栄養の使用が感染症を増やす」「経静脈栄養の使用により後の感染症発症を予測できる」とは、言えない。
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