コヘルツ論文セレクション 
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呼吸

PDA重症度スコアによる慢性肺障害と死亡の予測

El-Khuffash A, James AT, Corcoran JD, Dicker P, Franklin O, Elsayed YN, Ting JY, Sehgal A, Malikiwi A, Harabor A, Soraisham AS, McNamara PJ. A Patent Ductus Arteriosus Severity Score Predicts Chronic Lung Disease or Death before Discharge.

J Pediatr. 2015 Dec;167(6):1354-1361.e2. doi: 10.1016/j.jpeds.2015.09.028. Epub 2015 Oct 21. PMID: 26474706.

背景

  • PDAによる肺血流増加は、chronic lung disease (CLD)に関係すると言われているが、これまでのRCTでは介入の有効性は否定的である。
  • しかし、それらの研究では、介入が必要なPDAの重症度としてのparameterがシンプル(PDAの有無やPDA径のみで血行動態は無視)すぎる可能性がある。
  • そのため、PDAの重症度を表すスコアリングシステムを構築したい。

要点

  • 多施設前向き観察研究、在胎29週未満。
  • 生後2日目の患者背景やエコー所見から、chronic lung disease (CLD)と死亡退院のcomposite outcomeを予測するためのPDA severity scoreを作成。
  • n=141。在胎日数、PDA径、最大流速、左室拍出量、a’波の5つが関連因子としてPDA severity scoreを構成。AUROCは0.92(Figure 3)。

Figure 3

注意点・コメント

  • 36週時に酸素が必要であればCLDと定義されているが、CLD単独アウトカムに対する予測モデルを知りたい。また、「PDAの重症度スコアを構築したい」と言っているが、アウトカムがCLD/deathであり、これは単にアウトカムの予測モデルでありPDAの重症度スコアではない。
  • Training setのみでprediction modelを作っているため、実際にどのくらい有効なモデルかは不明。
  • 臨床所見だけでAUROC 0.84とあるが、この変数にはNECや人工呼吸器期間が含まれており、生後2日目で判断できない。比較としては不適切。
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木村聡
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