コヘルツ論文セレクション 
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内分泌

人工心肺使用患者に対するメチルプレドニゾロンの効果

Whitlock RP, Devereaux PJ, Teoh KH, Lamy A, Vincent J, Pogue J, Paparella D, Sessler DI, Karthikeyan G, Villar JC, Zuo Y, Avezum Á, Quantz M, Tagarakis GI, Shah PJ, Abbasi SH, Zheng H, Pettit S, Chrolavicius S, Yusuf S; SIRS Investigators. Methylprednisolone in patients undergoing cardiopulmonary bypass (SIRS): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

Lancet. 2015 Sep 26;386(10000):1243-1253. doi: 10.1016/S0140-6736(15)00273-1. PMID: 26460660.

背景

  • 人工心肺を要する心臓手術に際し、ステロイドは炎症反応を抑え、相対的副腎不全のリスクを減らし、超低体温循環停止における神経保護といった利点が提唱されている。
  • しかし、その効果については未だ議論中である。

要点

    • 18カ国、80施設、ランダム化比較試験、Steroids In caRdiac Surgery (SIRS) trial、18歳以上、n=7507
    • メチルプレドニゾン250mgを麻酔導入時とCPB開始時に投与(n=3755) vs. プラセボ(n=3752)。Primary outcomeは、30日死亡率と、Composite outcome(死亡、心筋傷害、脳卒中、腎不全、呼吸不全)。
    • メチルプレドニゾロンは30日死亡率(154 [4%] vs 177 [5%] patients; relative risk [RR] 0·87, 95% CI 0·70–1·07, p=0·19)やcomposite outcomeに有意差なし。CK-MBを元にした心筋傷害はメチルプレドニゾロン群で高かった(Figure 2)。

Figure 2

注意点・コメント

  • 18カ国、80施設という、大規模なランダム化研究。小児ではないが、心臓外科に対するステロイドの効果を評価した大規模研究という意味で紹介。
  • 死亡率やその他の罹患率に有意差がないだけでなく、心筋傷害という意味では有意に悪化したという結果。血糖値もステロイド群で有意に高い(感染症には有意差なし)。
  • 呼吸不全に関しても改善効果なく、かなりステロイドの効果に関してネガティブな結果。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。