コヘルツ論文セレクション 
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血液

シャント依存性肺血流の単心室患者におけるヘマトクリット値と輸血

Dasgupta R, Parsons A, Mcclelland S, Morgan E, Robertson MJ, Noel TR, Schmitz ML, Rettiganti M, Gupta P. Association of haematocrit and red blood cell transfusion with outcomes in infants with shunt-dependent pulmonary blood flow and univentricular physiology.

Blood Transfus. 2015 Jul;13(3):417-22. doi: 10.2450/2014.0128-14. Epub 2014 Nov 25. PMID: 25545877; PMCID: PMC4614293.

背景

  • 輸血には様々な合併症があるため、近年は輸血に対する閾値は上がってきた。
  • しかし、チアノーゼ性心疾患はその限りではないかもしれない。

要点

  • 単施設、後ろ向き研究、mBTSによるNorwoodを施行された2ヶ月未満の小児、n=73
  • ヘマトクリット値や輸血と、臨床的アウトカムとの関連を評価。
  • 術後2週間の平均ヘマトクリットは44.3、輸血量は28ml/kg。多変量解析では、ヘマトクリット値と赤血球輸血はアウトカムと関連性を認めなかった。

注意点・コメント

  • 術後ECMOを使用された患者は除外されているが、これはアウトカムであって除外するべきでない。すなわち、selection biasである。
  • mBTS後にヘマトクリット値を上げる目的として、低酸素下での酸素運搬だけでなく、粘稠度を増加させrun-offによるcoronary stealによる急変を防ぐという意味もある。その点、ECMOも含めた心停止や開胸といったmajor adverse eventsをアウトカムとして評価して欲しかった。
  • 大きめのシャントによるrun-offを防ぐためには、術後の人工呼吸器も大切であるが、シャントのサイズや人工呼吸器設定といったデータが欠如している。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。