Biscotti M, Yang J, Sonett J, Bacchetta M.
Comparison of extracorporeal membrane oxygenation versus cardiopulmonary bypass for lung transplantation.
J Thorac Cardiovasc Surg. 2014 Nov;148(5):2410-5. doi: 10.1016/j.jtcvs.2014.07.061. Epub 2014 Aug 1. PMID: 25444203.
背景
- 人工心肺(CPB)は、肺移植でも良く用いられてきたが、biochemical cascadeによる肺傷害との関連が示唆されている。
- ECMOは、リザーバーや吸引がないため空気に触れる部分が少なく、サイトカインの放出が抑えれれる可能性がある。
- 肺移植中にCPBではなくECMOを用いる施設が増えてきている。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、肺移植を施行された患者316名
- CPB(n=55)とECMO(n=47)を比較。
- 術中、FFP, Plt, cryoの投与がCPB群で有意に多かった。術後の出血や再手術も、CPB群で高かった。30日、1年生存率に有意差なし。
Figure 1. CPB vs. ECMOにおける一年生存率

注意点・コメント
- CPB群とECMO群の単純比較のみで、交絡因子を調整していない。例えば、CPBの方が安定した血流を得られるし、リザーバーも装着できるため、重症患者や出血のリスクの高い患者ではCPBを選ぶ可能性がある。実際、術前の肺動脈圧は(有意差ないが)CPB群で高い。これらは交絡因子となりうる。
- 両肺移植や心内操作ありでは、CPBを使用しており、これらもindication—> confounderとなりうる。
- ただし、術後ECMOへの移行も楽であるし、(CPBと比較した)ECMOの利点の可能性を示したという意味で重要。
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