Lehner A, Schuh A, Herrmann FE, Riester M, Pallivathukal S, Dalla-Pozza R, Kozlik-Feldmann R, Netz H, Malec E, Januszewska K.
Influence of pulmonary artery size on early outcome after the Fontan operation.
Ann Thorac Surg. 2014 Apr;97(4):1387-93. doi: 10.1016/j.athoracsur.2013.11.068. Epub 2014 Feb 14. PMID: 24529483.
背景
- Fontan循環の成立要因として低い肺血管抵抗が必要。
- 肺動脈の成長は必要であるが、そのサイズの予後に対する影響は不明。
- 単心室のFontan術後早期合併症に対する肺動脈の大きさの影響を調べた。
要点
- 単施設、後ろ向き研究、Fontan手術を施行された小児
- McGoon ratioとNakata indexを、肺動脈の大きさの指標として使用。アウトカムは、人工呼吸期間、病院滞在日数、ICU滞在日数、胸水。
- McGoon ratio 1.6, Nakata index 150というカットオフは、上記アウトカムと関連なし。McGoon ratio 1.2, Nakata index 100に変更しても同様。
Table 4. 肺動脈の指標と術後アウトカム

注意点・コメント
- 左右肺動脈の大きさ自体には、Fontan手術の可否の判断材料にはならないとする研究。ただし、どちらのindexも中枢の肺動脈の大きさを使用しており、肺血管抵抗や末梢の太さを計測したものではない。
- どのように上記のカットオフを決めたのか不明。ROC曲線などで他のカットオフを見つけることもできるはず。
- 術前カテーテル検査を行った患者のみを対象としている。術前ルーチンでカテーテル検査を施行しているのならよいが、何らかの理由で施行しているのであればselection biasとなる。
- 単変量のみであり、回帰分析は行われていない。術前心室拡張末期圧などの情報もない。
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