コヘルツ論文セレクション 
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循環

小児開心術後のエピネフリンの薬物動態

Oualha M, Urien S, Spreux-Varoquaux O, Bordessoule A, D’Agostino I, Pouard P, Tréluyer JM.

Pharmacokinetics, hemodynamic and metabolic effects of epinephrine to prevent post-operative low cardiac output syndrome in children.

Crit Care. 2014 Jan 24;18(1):R23. doi: 10.1186/cc13707. PMID: 24456639; PMCID: PMC4056810.

背景

  • 心臓外科術後の低心拍出量症候群に対するカテコラミンのについて、エビデンスは確立されていない。
  • エピネフリンは安価でよく使われているが、小児に対する用量や作用を調べたい。

要点

  • 前向き観察研究、単施設、18歳未満、開心術、エピネフリン投与が必要となった患者
  • エピネフリン投与開始から6時間後まで。血中濃度や血圧・心拍数、血糖、乳酸値について、薬理学的にone-compartment modelを用い、non-linear mixed-effect mocelを用いて解析。
  • n=55。心拍数と平均血圧は、エピネフリンの用量依存性。血糖と乳酸も用量依存性に上昇したが、年齢や体重には依存せず。

Figure 6. 小児(5kg)のエピネフリン投与速度と血糖・乳酸値のシミュレーション

注意点・コメント

  • エピネフリン投与は、β₂刺激による糖新生と、嫌気性代謝による乳酸値を上昇させることを示唆した、重要な論文。
  • 血糖や乳酸値に、年齢や体重の関与がなかったが、サンプル数が少なく検出力が足りない可能性。
  • エピネフリンの代謝に関してはOne-compartment modelを用いており、薬理学的には不完全。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。