Anderson BR, Ciarleglio AJ, Hayes DA, Quaegebeur JM, Vincent JA, Bacha EA. Earlier arterial switch operation improves outcomes and reduces costs for neonates with transposition of the great arteries.
J Am Coll Cardiol. 2014 Feb 11;63(5):481-7. doi: 10.1016/j.jacc.2013.08.1645. Epub 2013 Oct 30. PMID: 24184243.
背景
- ある研究で、術前の低酸素分圧と手術までの時間が、脳室周囲白質軟化症(periventricular leukomalacia)の増加と関連することが報告されている。
- しかし、TGAに対するASOの適切な手術のタイミングについてはわかっていない。
要点
- 単施設後向き研究、妊娠36週以上、d-TGA、n=140
- 手術時の年齢と臨床的アウトカムやコストとの関連を評価。
- 手術施行の中央値は日齢5(IQR 1-12)。多変量解析で交絡因子を調整したが、生後3日以降手術が一日遅れる毎にMajor mobidity (心停止、ECMO、感染etc)が47% (p<0.001)上昇し(Figure 1)、費用が8% (p<0.001)増加した。
Figure 1

注意点・コメント
- 通常、母体の影響や胎児循環、生理的肺高血圧といった懸念から、生後間すぐの手術は避けた方が良いと考えられてきた。しかし、本研究では生後3日まではmobidityが減少するが、その後は上昇することが示された。手術時の年齢によるアウトカムへの影響を示した研究として非常に興味深い。
- 妊娠36週未満や、VSD, ASD, PDA以外の心奇形がある場合には除外されており(BASは80%の患者で生後0日で施行)、典型的なd-TGAが対象。
- Major mobidityとして10以上のアウトカムを合わせて解析しているため、手術年齢時期が遅くなることでどのアウトカムが増加するのか、アウトカム悪化の原因は何なのかについての予測が難しい。
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