Pinto CA, Marcella S, August DA, Holland B, Kostis JB, Demissie K.
Cardiopulmonary bypass has a modest association with cancer progression: a retrospective cohort study.
BMC Cancer. 2013 Nov 3;13:519. doi: 10.1186/1471-2407-13-519. PMID: 24180710; PMCID: PMC3831257.
背景
- 人工心肺(CPB)は、免疫系に作用し免疫力を弱める可能性がある。
- 腫瘍のある患者では、人工心肺の使用によって癌の発症・進展するのではないか。
要点
- 多施設、後ろ向き研究、CABG、
- CPB使用群と非使用群で、悪性腫瘍による死亡率を比較。Propensity scoreをモデルにいれて交絡因子を調整。
- n=43347。癌発症は7.2% vs. 5.8%。Risk ratio調整後も有意差なし(RR 1.17, 0.93-1.47, p=0.19)。Person-yearsでの率も有意差なし。癌による死亡率も、KM, competing risk modelで有意差なし。
注意点・コメント
- Propensity scoreをモデルに入れているが、その変数の選択方法が不明瞭。また、PSを計算するのに用いた変数を、なぜか再度最終モデルに入れている(ex. Age)。
- 冠病変の数や部位、糖尿病といった、交絡因子になりうるデータがあるにも関わらず、なぜかPSモデルに入れていない。また、データベース研究であるため、心機能の詳細や脳血管・神経症状の詳細といったデータは不明。
- CABG当時に腫瘍がなかった証拠がない。そのため、「新規発症」か「進展」か不明。また、単に人工心肺といっても、人工心肺による免疫抑制なのか、suckerによる再循環でmetaが起きやすいのか、本研究からはわからない。
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