コヘルツ論文セレクション 
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呼吸

喘息に対しβ2刺激薬の吸入に静注アミノフィリンを加える意義

Nair P, Milan SJ, Rowe BH.

Addition of intravenous aminophylline to inhaled beta(2)-agonists in adults with acute asthma.

Cochrane Database Syst Rev. 2012 Dec 12;12(12):CD002742. doi: 10.1002/14651858.CD002742.pub2. PMID: 23235591; PMCID: PMC7093892.

背景

  • 喘息発作に対する治療の柱は、短時間作用性のβ2刺激薬と全身性ステロイド投与である。
  • 経口theophylineといったmethylxanthineと、静注aminophilineが、喘息発作に使われてきたが、2000年のreviewでは、β2刺激薬にaminophyllineを追加投与しても、気管支拡張作用は見込めないとの結果であった。
  • 2012年までの研究を追加し、再度調べてみた。

要点

  • ランダム化比較試験のみ、2012年9月まで、成人、吸入β2+aminophillineの静注 vs. 吸入β2単独(Aminophilline単独 vs. β2刺激の研究は除外)
  • Primary outcomeはpeak expiratory flow (PEF)とFEV1
  • 2000年のreviewから新たに2つの研究を加えたが、meta-analysisとしてデータを加えることはできなかった。投与後12時間、24時間でのPEFに有意差なし。Aminophilline群で有意に動悸・不整脈(OR 3.02, 95%CI 1.15-7.90)と嘔吐(PR 4.21, 95%CI 2.20-8.07)が多かった。

注意点・コメント

  • Aminophilline単独での効果を調べたわけではなく、β2刺激薬による気管支拡張に追加の拡張作用があるか否かを調べた研究。
  • 想像通り、heterogeneityは大きく、regimeやpopulationの違いが原因と考えられる。
  • しかし、現時点では(β刺激薬が使用できる限り)aminophyllineを推奨する理由がないということであろう。
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木村聡
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