コヘルツ論文セレクション 
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内分泌

心臓手術におけるデキサメタゾン投与

Dieleman JM, Nierich AP, Rosseel PM, van der Maaten JM, Hofland J, Diephuis JC, Schepp RM, Boer C, Moons KG, van Herwerden LA, Tijssen JG, Numan SC, Kalkman CJ, van Dijk D; Dexamethasone for Cardiac Surgery (DECS) Study Group. Intraoperative high-dose dexamethasone for cardiac surgery: a randomized controlled trial.

JAMA. 2012 Nov 7;308(17):1761-7. doi: 10.1001/jama.2012.14144. PMID: 23117776.

背景

  • 人工心肺を要する心臓手術に際し、ステロイドは炎症反応を抑え、相対的副腎不全のリスクを減らし、超低体温循環停止における神経保護といった利点が提唱されている。
  • しかし、その効果については未だ議論中である。

要点

  • 多施設(オランダ、8施設)ランダム化比較研究、18歳以上、人工心肺使用心臓手術、n=4494
  • デキサメタゾン1mg/kg(n=2239) vs. プラセボ(n=2255)で、30日以内のcomposite outcome(死亡、心筋梗塞、脳梗塞、腎不全、呼吸不全)を比較。
  • Primary outcomeに有意差なし。ただし、デキサメタゾン群で術後の感染症、人工呼吸期間、ICU滞在日数が減少。血糖値は有意に上昇。

注意点・コメント

  • 小児ではないが、心臓外科に対するステロイドの効果を評価した大規模研究という意味で紹介。
  • 血糖は上昇しているが、なぜか感染症は有意に少ない。
  • 人工呼吸期間短い。呼吸不全や肺炎といったアウトカムも有意に少ないのはなぜか。死亡率は下げないが、炎症は抑えるためそれによるアウトカム(肺炎や酸素化など)は変わりうるという、ARDSに対するステロイドと似たような結果なのか。

 

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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。